【投与まで②】自分にとっては当たり前
いのこです。
前回記事で書いた自分のアトピー症状。
そのままの状態では生活できないので「手当てすること」が必要でした。
- 浸出液がでる部分にはガーゼとテーピング
- 炎症部分にはステロイド、それ以外にも保湿剤
- 傷口には絆創膏、関節部分はガーゼがずれないようにネット包帯
- こまめに塗り直しができるよう軟膏は出先でも必携し上記を繰り返す
幼少期から身体には掻き傷や炎症があり、ひどくなれば手当をするしかなかったため、「手当すること」は日常の一部でした。
毎日どこかがヒリヒリしたり、血や浸出液が出るのが普通でした。
その日は11月で、北風が吹いた次の日の早朝だったと思います。
手当の道具を入れている透明なボックスに手を伸ばした時、ふと涙がでました。
ぼやけた視界に映るのは、真っ青な蓋の混合軟膏や、
「ひどいところ」のシールが貼られたアンテベート軟膏。
薬を塗り広げるための綿棒はあと3本でストックを出さなければいけません。
見た目が人と違い、制限されることも多い体質であることは重々理解していたし、諦めていたつもりだったのに。
”どうして自分は朝早く起きて自分の手当をしているのだろう”
”やりたくもない手当をして出勤して、他の人と同じストレスの中働いているんだ”
”周りの女性たちが美容にお金を使っている中で、私は人と同じにすらなれない”
”こんなガーゼだらけの身体の自分を好きになれないし、誰にもみせられない”
仕事で思い悩むことが多い時期でストレスも重なり涙が出たのだと思いますが、自分のアトピーを受け入れられているようで、目を背けていたことに気が付きました。
「いやだなあ」
何千、何十万回と思ってきた言葉が口を突いて出たこの日に、私は行動します。
それが5ちゃんねるのアトピー板の閲覧です。
10代後半から主にニュース記事の閲覧に使用していた(当時は)2ちゃんねる。
世間の本音がわかる一方で言葉の刺激が強いため、落ち込んでいるときはアトピー板を見ることができませんでした。
同じ辛さを抱える人のどこにも言えない本音を見て、自分だけではない、頑張れると思いたかった。それがアトピー板を久しぶりに見た動機でした。
『デュピクセント(デュピルマブ)を語る』
このスレッドを読み、私はデュピクセントを知るのです。
【投与まで①】自分の症状
いのこです。
デュピクセントの初回投与からもうすぐ1年です。
下記が投与を決意するまでの私の症状です。
目次
当時の症状
・色素沈着を繰り返し全体的に赤黒い肌
・汗と体温上昇で悪化するため夏は特に悪化。ストレスや運動でひどくなる
・肘やひざ裏、くるぶしにまであかぎれやただれが起きている
・首裏と耳たぶからは滲出液(社員証のネックストラップとイヤリング)
・胸と脇下は黄色いかさぶたと滲出液が出る時期を繰り返す
・頭皮は白いかさぶたが常に剥けていて、持ち物や部屋に落ちる
・アレルギー性結膜炎で目をこするため目尻が切れて赤くなる
当時はステロイドと保湿剤で治療をしていましたが
これらの症状の改善には至りませんでした。
人生の中でもアトピーがひどい時の状態が2年ほど続いていました。
※今後記事にしますが、ステロイド治療を否定する立場ではありません。
30年アトピーと向き合ってきた中で様々な治療・方法を試してきました。
当時の症状の改善、生活の質の向上にデュピクセントが適合したという感じです。
症状写真がない理由
あえて言葉で記載しているのは次の2つの理由からです。
①写真をとるのもおぞましい状態で傷や症状の写真がそもそもない
②私自身、症例写真を見るのがつらい時期を何度も経験していた
写真だと変化が一目瞭然だと思いますが、アトピー患者で同様の症状があれば、文章を読んだだけでイメージができると思います。
これらの症状が生活にどんな影響を及ぼしていたのか、次の記事に記します。